戸隠神社奥社
2013年8月上旬のことである。
突然予定していなかった、戸隠神社に行こうと思い立った。
長野新幹線で行けば、1.5時間であるし善光寺にも行ってみようと思っていたのである。
当初の予定では、長野着当日は善光寺近辺を、翌朝バスで1時間以上山の中に入る戸隠神社奥社に行く予定であった。
奥社は、バス停からとても大きな杉並木の中を2キロメートルの参道を徐々に登り、ラスト200メートルは急な階段の坂になる。
ふと、時刻表を見ていて、長野到着時間から考えれば、2便目のバスに乗れることが分かった。ならば、当日奥社に行って翌日善光寺にというプランに変更をした。
バス停につくと、飯綱高原スキー場近辺で夏合宿をするのだろう大学生の15人ほどの集団と乗り合わせた。ほかにも、観光客が20人ほどいる。大学生はみなそれぞれ大きなスーツケースを引きずっていた。
バス係員によると、前の便はすいていたのにこの便は満員でとにかく詰めて欲しいとアナウンスがあった。
善光寺の参道を登り左手奥から進んで裏の街道から山道に入っていく。40分経過した頃、ループ橋や坂道が続いてきた。そして途中のスパイラルというバス停で、一人降りたあとトラブルが発生した。エンジンがかからなくなったのである。
あまりに人数が多く夏の暑さでバスのエンジンが動かなくなってしまった。結果、代わりのバスが来るまで坂道の途中でクーラーなしで待ち続けたのだった。
戸隠神社の由来は、HPによれば
「日本神話にある、天照大神が天の岩屋にお隠れになった時、無双の神力をもって、天の岩戸をお開きになった天手力雄命を戸隠山の麓に奉斎した事に始まります。」とある。
このことを知っていた私は、2007年に高千穂を訪れて以来どうしても行きたかったところである。
途中、随神門を抜けて、30メートルはあろうかという杉の巨木の並木道が1キロ以上続く。その凄さには圧倒された。
実は、腰痛があったし満員のバスで身動きが取れなかつたことも余計痛みをましていたが、不思議なこと坂の参道を歩いても痛みが出てこない。
奥社のそばに、龍神を祀る祠がある。
どちらかといえば龍神系神にご守護いただいている機会が多い自分としては訪れるべき神社であったからかもしれない。
では、なぜバスが止まったのか。日にちを変更したからである。本来あるべき時間帯に動くべきところを、自分の都合で変更したためストップがかかったのだ。いわゆる、神様の時間調整である。しかも、スパイラルという螺旋の坂道で。まるで、いろいろなことが錯綜する時間で止められたかのごとくである。そして、まだまだ神域に安易に入って良い状況ではないくらい、魂が汚れていたのだろう。
どこかで書いたかもしれないが、神田を歩いていて5メートル前に、古い木造3階の家の窓が窓枠ごと落ちてきたことがある。新宿のNSビルの前の歩道で、大風の日に、バツさりと3メートル手前に、大きな枝が折れて落ちてきたことがある。
だから、目に見えない力にご守護頂いていることに感謝している。自分の力では及ばないところで守られていることに感謝して、あとは与えられた場で頑張れば良いのだ。
そんなことを教えてくれた戸隠神社であった。
この旅では、「真梨子さん」には遭遇していない。いや、今思えば2014年の螺旋階段につながるのかもしれない。