②神社の相対的位置関係
出雲大社・伊勢神宮・熊野本宮大社 三山のバランス関係
私は、次のような模式図で仮説・考察してみた。
このような循環思考のオリジナルな捉え方で、神社の力関係と役割を考察していきたいと考えている。
MDF宇宙館オリジナル私案
地球共生型循環思考での三者関係と
神社の位置を捉える。
伊勢神宮系
外への拡大 国家 大きな愛 中央集権 統制 様式美 規範
(C)MDF宇宙館オリジナル模式図
出雲大社系
龍神系
内への反省 原点回帰 融和
志向的な愛 ご縁
自然との共生 利他慈悲
共存関係 相互補完
熊野本宮大社系
循環 調整 再生甦り復活 継続 忍耐
時間軸 時間の流れ
神格化
八幡宮系
稲荷系神社
天満宮天神系
闘争 リーダーシップ全般
武力 権力神授 禅譲
知力としてのリーダー 学業
庶民 農耕 商売 金運
CONCEPTにもまとめたように、歴史史観の2つの型である直線思考と円環思考。
文明の進歩を捉えるとき、時間軸の進行に従って複雑化し拡大していく文明の拡大発展を直線型思考と捉える立場がある。これは、中央集権化のための成長・支配・統制・競争という範疇である。
これに対して、進歩とは何か、発展とは何か、常に善きものとは、人間の生き方とは 何か? という視点で、常に人間の存在を中心に置いて考えていく原点回帰の立場もある。これは中心に向けて秩序とバランスを保ちながら内省的な考察を行う問いかけとしての円環思考である。ここには、協調・融和・共生などの言葉で表現できる。
しかし、生きていくために稼いで食べるためには、利益追求の会社人間にならざるを得ない。
人間性の疎外感を感じながら生きていかねばならないし、進まねばならない。
直線思考と円環思考のバランスは、その国全体の置かれた時代背景から考えれば、どちらも必要なものである。中央集権化の動きがなければ、今の日本はない。しかし、ただ相対時しただけの、にらめっこした停滞は閉塞感を生む。
拡大路線と人間性回帰の視点はある方向ベクトルを持った極性のエネルギー。これを硬直させないためにも、ともに共存させ相互補完させ循環させるエネルギーが必要である。あえて神話で言えば、事態解決のためによく登場する素戔嗚尊の霊験のようなもので、動力として機能する存在である。
このように俯瞰して捉えると、武運の八幡宮や歴史上の偉人、例えば徳川家康の東照宮や神格化された明治神宮や乃木神社は右側の範囲。より天下国家の安泰と国民の平穏を祈念していく。
一方、穀物の豊作を司る倉稲魂命の稲荷系は左ゾーンである。また、神格化された菅原道真公の位置は、朝廷に対しての外の知力としてのリーダーシップと捉えられるので、左のゾーンである。
成長発展へ
循環 動力因
そして、太極陰陽図である。陽極まれば陰となり陰極まれば陽となる。まさに循環している。
あわせて、島根県玉造で入手した勾玉を載せておく。三日月の形であり、胎児の形であり、そして目の部分が太陽となる。
「まずは」中央集権化のために「人間回帰は大切だけど永遠のテーマなので」国譲りで協調したと捉えれば、「記紀」も単なる神話ではなくなる。
現代で言えば、働き方改革で労働条件が緩和されるとするならば、更に売上拡大の成長路線で進むという両極でもある。
神社のエアーは人の祈りのエネルギーの集合体である。だから同じような周波数波動を発信している。もちろん、どれが格が高いということではない。
しかし、この循環がなければ円滑に行かない。数字や競争、ノルマに疲れて、生き方とは何かと神社に癒しを見出そうとする人の心情は、この模式図通りの感覚であろう。
ある意味、神社ブーム、御朱印ブームも人間性への回帰と魂の成長と捉えられると体感している。