龍神と弁才天との関係
さて、これも大きなテーマであり、ひとつのHPができてしまうくらいである。
そもそも、現在東京のパワースポットとして人気の小網神社、そして、明らかに目黒区の目黒不動流瀧泉寺の龍脈・龍穴のライン上にある、播竜寺の弁財天像など、なぜ龍と関わりがあるのかわからずに、ご利益だけ優先して、「銭洗い弁天」というのも調子が良すぎる感じもする。
やはり、その背景を知ると面白い。しかし、この1ページで収めたいので、先人の文献を紹介しておくに留める。
やはりそうなのだなと思うのは、京都の二条城の南側にある、もともと御所の禁足地であった「神泉苑」の善女龍王伝説」である。
そして、外国人旅行客であふれかえっている東京渋谷区のスクランブル交差点を東急109ビル左に坂を上っていく道玄坂のてっぺんあたりにある井の頭線「神泉」駅である。
そこで、また模式図で説明してみたい。あくまでも私のオリジナルである。
(C)MDF宇宙館オリジナル模式図
龍神 龍 蛇
倉稲魂命 宇賀神
例* 小網神社
人頭蛇身 東京国立博物館蔵
弁財天
①弁才天は、もともとヒンドゥー教の女神であるサラスヴァティー(Sarasvatī)が、仏教あるいは神道に取り込まれた呼び名である。
原語の「サラスヴァティー」は薩羅薩伐府という名前の聖なる河を表わすサンスクリット語で、インドの河神を表している。
②元来、古代インドの河神であるが、河の流れる音からの連想から音楽神とされ、福徳神、学芸神など幅広い性格をもつ。
③そして、言葉の女神ヴァーチュと同一視されるようになり、言葉(弁)の才に優れた神、弁才天となり、弁舌、学芸、智恵の女神と信仰された。
④日本では、水辺の神といえば、縄文文化の神から龍神である。
⑤中世以降、弁才天信仰は神道と日本土着の水神である市杵島姫命(もしくは宗像三女神)や宇賀神(出自不明。日本の神とも外来の神とも。)と習合して、神社の祭神として祀られることが多くなった。
➅神泉苑の善女龍王伝説なども語られている。
⑦近世以降、いわゆる「七福神」の1つとして祀られる弁才天像は、農業神・穀物神である宇賀神と習合して、頭上に宇賀神像(人頭蛇身の老人像)をいただく形の像が多く見られる。
⑧宇賀神は宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ=倉稲魂命)であり、稲荷神社の祭神で、稲荷神とも呼ばれている。
考察/
よって、「仏教、神道に取り入れられたインドの神様が、日本の水神である市杵島姫命もしくは龍神、五穀豊穣の稲荷神との習合神として、新しいバージョンの仏様神様として信仰されている」ということになる。
⇒渋谷の神泉はもともと湧水があり、仙人がいたという由緒。つまり富士山から高尾を通り、都心に入る龍脈。東京は実は起伏が多く、渋谷は文字通り谷底。その東側にある環状6号線は、通称山手通り。つまり高台になっていて、国道246号と道玄坂の登りきった交点がいわゆる円山町であり神泉である。この神泉から南に目黒まで縦に龍脈が走り、一つの龍穴・エネルギーの吹き出し口が目黒不動の瀧泉寺である。この龍脈の上に、両脇に蛇がいる弁財天が小さな洞窟祠におられるのが、播竜寺である。
そして、目黒駅は谷底にあるが、目黒駅の東側は高台。この高台から五反田に下り始めるところにもう一つの龍穴である池田山公園がある。
池には湧水がある。そしてなによりも、このエリア近くに旧正田邸があることで有名である。
宇賀弁財天 MIHO-MUSEUM
小網神社は稲荷神社。よって宇賀神。そして柱に昇り龍下り龍の彫刻 ⇒弁才天 ⇒東京銭洗い弁財天という形。習合像を祭祀。
播竜寺は、龍脈上にあり弁才天像の両脇に蛇がいる。
(参考文献)
(参考ブログ記事)
図説・龍の歴史大事典 単行本 – 2006/3
笹間 良彦 (著) 遊子館